マッハIIIピンポイント整備入門

新キャブレター編 ゼウスの鐘編パートX



キャブレターの同調とり(仮アップ)

ブログ式整備入門の2の卓にキャブの同調の記事を書いておきましたが BBSの設定がうまくできなくて初めの方が自動的に消去されました。
一部の方からメールをいただいて 消えてしまってるのに気がついた次第です。
慌てて 再建してみました。 本来ならこの部分はゼウスの鐘編(キャブレター整備編)のクライマックスにくるはずでしたが 問い合わせが多いので そこまで記事を書く前に 取り急ぎ形にしたものにです。
整備の参考にしていただけたら幸甚です。


写真1

アイドリングが調整が悪い」「同調がとれていない」症状としては 走りながら
アクセルをもどすとアイドリングのオチが悪い(どれかだけ スロットルバルブが高めなので その気筒 が頑張ってしまうので2000回転ちょっと上ぐらいでためらってから落ちる)とか アイドリングが不安定で エンジン が暖まったら回転が高すぎる
とか アクセルをあけた時に やや不安定なエンジン挙動で吹けあが るとかそういう よくありがちな 他のトラブルを抱えていても出そうな症状なので  調子を上げて熟成していく上で「一つ一つ消していく」ポイントの一つかもしれません。
なにせマッハシリーズは 同調が狂いやすい(合わせても 少し乗って遊んだら す でに狂ってます)ので何回もやりなれていくのが良いでしょうね。
では アイドリングを調整するというのは 実際どういうことかといいますと
アクセルワイヤーが干渉しない状況(極端な話し アクセルワイヤーを三本とも抜いた状態が好ましい)でスロットルバルブを開く角度を調整しておくアイドリング調整ツマミで 三気筒とも 均等にエンジンの回転に寄与していて 安定している状況に調整することです。

話しくどいですか〜? よく咀嚼してください。

写真2

SM2では「マフラーの排圧が均等になる」ようにアイドリングを調整する と書いてます。3気筒とも 内燃系の調子が同じなら 理論的には スロットルバルブの開き加減(開いている隙間の広さ)が同じだ ということになりますけど現実には そんな風には行きません。 燃焼状況が 気筒によりビミョーに違うわけです。
マフラーの詰まりが均等として そのあたりをうまくまとめた末 マフラーの排圧を手でかざしてみるということになります。 
赤影くんは 右の一気筒はアメリカで焼き焼きで帰国しましたので ちょっとボアが広い目でした。 お世辞にも良い状況じゃなかったので 別のエンジンから コンマ5のシリンダーと ピストンを持ってきてつけました。
すると やはり燃焼状況が変わったのか アイドリングが高め(1900回転ぐらい)
になってエンジンが暖まると アクセルをもどすと
「ぐわーん ワンワンワンワン」と どれかの気筒がハッスルしてからアイドリングが落ちるようになりました。アイドリング全体も下げたいし 今の状態に見合った同調をとりたいと思いました。
アイドリング調整の極意としたら 実際に乗りながら 完全に暖まった状況で 回転 数の落ち具合と安定したアイドリング回転に調整して その調整した時に マフラーの手かざし排圧が均等であること それからおおむね三気筒とも スロットルバルブの高さが均等であることです。走りまわりながら調整しますが アイドリングを下げると アクセルワイヤーのアソビがゼロになってしまうとなんぼアジャスターを回してもアイドリングが下がらなくなります。
だから 調整しながら走りまわる時は アクセル手元のアソビ調節で 充分にアソビ
がある状況にしておいてからちょうど良いアイドリングに調整するのが大事なことです。
話しくどいけど このあたりよく理解してください。

写真3

んでこの今までの写真は 一体なんなのかと言いますとエンジンが温もった状態で 同調は無視して アイドリングの落ちがよくってマフラー三本とも同じ排圧のところでアイドリングは(KAなので)ディスチャージランプが点くか点かないかぐらいの1600回転ぐらいに調整したところでアイドリング調整ツマミの高さを眺めると ちょっと真ん中のツマミだけ「釣りあがった」ように見えますよ という写真です。
H1では アノつまみをねじ込んだり 戻したりして スロットルバルブの吊りあがり具合を調節しているものなのであそこをみるだけでも ある程度スロットルバルブが均等に吊りあがっているのか見えるわけです。
H2やSのキャブは 側方にアジャストスクリューがあるので だいたい同じぐらいの「ねじ込み具合か?」が分かりにくいかもしれませんね。
A1もGAも スロットルアジャストロッドで スロットルバルブを吊り上げ式になってます。
アイドリングは エアーインレットパイプとエアークリーナーがついた状態で調整しますのでエアーインレットパイプを外す前に調整が終わってないといけません。

写真4
アイドリング調整の記事は 懐かしの「汚れた英雄」の映画みたいに さっき筑波走ってたはずが急に菅生走ってるとかになります。
この写真はH2です。 H2とH1 行ったり来たりして説明しますが気にしないで下さい。
アイドリングの調整は…
1ワイヤーに充分アソビを持たせた状況で 
2アイドリングアジャスターを回して 三本マフラーの排圧が均等になるように調整する 
3その上 なるべくならスロットルバルブの釣りあがりが均等になってるところを探します。

アイドリングの回転数は もはや「好み」ですけど H2では1000回転前後ぐらいじゃないでしょうか。
アイドリングを合わせて 同調(アクセルワイヤーのアソビを揃える)を合わせると
もはやアイドリングアジャスターを回すと 同調が狂います。
スロットルバルブの高さが変わって アソビが狂うからです。
アイドリングを調整してから 同調を取ったあと どうしてもアイドリングを変えたい
場合は三気筒とも同じ角度ずつ調整ツマミを回します。
理論的にはそれでいけているはずですが 実際には同調は狂ってしまいます。
このへんまで理解してください。
エアースクリューはどう調整するの?と 難しいことを言うヒトがいるとしたら
アイドリング調整走行しながら 良い回転数が出てきたら エアスクリュー規定の戻し回転から4分の1回転ずつぐらい締めたり緩めたりして 最もアイドリングが上がるところを探します。
エアースクリューをイジッてもアイドリングが全く変わらないヒトがいたらたいへんなことでその気筒 アイドリングに関与していないか 2の穴の奥がつまっているか パイロットジェットが詰まっているかです。
ややこしくなるので エアスクリューは規定どおりの戻し回転で乗っているというヒトも結構います。

写真5

アイドリングの調整が決まったら 同調とりに入ります。
KAはディスチャージランプが灯るか灯らないかの あたりにするのがオススメです。 電装の健康状態でかわりますが だいたい1600回転ぐらいでしょうか。
赤影くんも シリンダー交換で 同調狂いとアイドリングが2000回転ぐらいに上がっていたのをアイドリング調整して アクセルを戻した時の「ぐわ〜んぐわんぐわんぐわん」という
「一見 薄いのか?」「アクセルワイヤーが引っかかってる?」
という症状がおさまったので アイドリングをいじったことによる同調の狂いを調整します。
同調の調整はもっぱら最近ではオイルポンプを見ながらするようになったので 右のデスビカバーを外します。
タコメーターワイヤーは外したほうが作業はしやすいです。

写真6 
ついでにデスビキャップも外します。案の定 スパークかすがついているので あとでとります。
油断もすきもないですね。
写真7
エアーインレットパイプを外します。
最近ではとりつける時にエアクリーナーボックスもフリーにしておいて パイプにくっつけてから
ボックスを固定したほうが早いことが分かりましたので 
ボックスも緩めて ついでにある程度磨いておきます。
写真8
エアーインレットパイプの真下にはニュートラルランプスイッチがあります。
狭いところから無理矢理に引き出したら ニュトラルランプのコードが引きちぎれたりしますので注意。
キャブいじりした後から ニュートラルランプがつかなくなったとか 点きっぱなしはこのスイッチまわりを気にしていなかったから ということが多いです。
写真9
じつはKAは エアーインレットパイプの接続金具が邪魔になって 外しにくいのでFスプロケットカバーを外した方が
パイプの脱着は楽です。
「急がばまわれ」というやつですね。
写真10
スロットルワイヤーのアジャスターのロックナットを緩めます。
ナットは7ミリの変なサイズです。
このナットは真鍮みたいなものでできてますので すぐにねじ山をナメてこわれます。
扱う時の強さ加減に注意してください。
ロックナットを緩める時に アジャスター自体も供回りして 緩めてしまいがちですが
アジャスターを緩めないように慎重にしてください。
ロックナットが緩んだら スロットルバルブを指で触れながらアソビが大きくなるほうに慎重に回してみて下さい。
もし アジャスターでアソビを大きくしようとした時にスロットルバルブが動いたならば!アイドリング調整をした時に アイドリング調整ツマミでアイドリングを調整していたのではなく アクセルワイヤーの吊りあがりでアイドリングを調整していたということになりますので アイドリング調整ができていなかったことになります。
くれぐれも アイドリング調整は アクセルワイヤーのアソビを充分にもたせてやって欲しい ということです。
写真11
写真はH2のキャブレターキャップです。
アクセルを戻した時に アイドリング回転への落ちが悪い 2000回転ちょっとぐらいでしばらく考えてから落ちるという症状は
色々な原因が考えられます。
一番怖いのは インシュレーター周辺や キャブレタートップ周辺から2次エアーを吸っているということでしょう。
その場合 その気筒のプラグの焼けが良い 良すぎると言うことから分かるかもしれません。
H2はスロットルバルブの張りつきでオチが悪いとよく言われていますが
実際にはスロットルバルブが張りつくのは 全開に近い部分が多いらしいので
アイドリング回転付近でちょっと考えてから落ちるというのはあまりないかもしれません。
写真12
むしろ 分枝ボックスをタンクで挟んでいるとか 過去に挟んだことがあって ボックスが変形していて内部で動きが悪いとかが多いようです。
当然同じような原因でワイヤーの動きがカラいことでも起こりえます。
写真のアクセルワイヤーの分枝ボックスは 後から部品番号で来たものですから
樹脂製ですけども 車体に付いていたものは金属の筒でできていることがあり
結構変形しているのをみかけます。
分枝ボックスはフレームで固定することをお勧めします。
分枝ボックスが自由に動く状況ならば ハンドルをひねった時にワイヤーが引っ張られてキャブの頭に行くワイヤーも引っ張られる時があります。
この場合 ハンドルの位置によってアイドリングの落ちが悪いということにつながる事があります。
分枝ボックスはフレームに固定しておかないと 折角とった同調が狂いやすいので
そういう意味でも固定するのをすすめています。
写真13
H2では 写真のようなサークリップでアクセルワイヤーをアジャスターに固定しています。
これはH1系にはないもので アクセルワイヤーを引っ張ることでスロットルバルブがつりあがるのを
予防するために追加したのでしょうが このクリップが半分抜けていたり 嵌まるべきところでないところで留まっている場合に アイドリングの落ちが悪いとかの症状が出ます。
写真14
話しは前後しますが 写真10のところで アクセルワイヤーのアジャスターを緩める方向にまわす時に指でスロットルバルブを触れながら回してみて下さい。
緩めた時に スロットルバルブが落ちてきた場合は アイドリング調整の段階で「アウトー!」です。
遊びが充分でなかったので アイドリングを下げる方向に回したときに ワイヤーのアソビがゼロになってしまってワイヤーで吊りあがった状態になっていたのだと思います。
もし厳密にがんばりたいなら その状態で今一度インレットパイプを取り付けてアイドリング調整をしなおしてください。
ワイヤーで吊りあがっていた分 アイドリング調整ツマミで持ち上げてくれてもイイのですが…。

写真15
さて 長々とアイドリング調整の話しをしてきましたが ここからは
同調のとり方を書いていきます。
ダイアフラムがついたバタフライ型のキャブではないので ヴァキュームゲージで 吸入される陰圧が
等しくなるというように調整するのではなく 
「スロットルバルブが動き始めるタイミングを三気筒とも揃える」
というのがマッハにおける同調とりです。

ここまで書いてきて分かったことですが キャブのアイドリング調整や同調とりは
初めてやるヒトが クッキングブック風に SM2やこの記事をみながら簡単にできるものではないと思います。
「砂糖小匙一杯 醤油大さじ二杯…」で なにも考えないでやってもダメということです。
色々とやって 頭を抱えたヒト 今でもうまくやっているヒトのヒントになるようなものしか書けないかもしれないなあと思います。

写真16
わたしも先輩方から色々な調整方法を教えてもらってきました。

アイドリングを調整したら エンジンをブリッピングして
ジーッと音を聞きながら エキパイの熱くなるのを触りつつ
「う〜ん 右イっ気筒が遅れている!」
で調整してくれる名人芸も見たことがあります。

写真15からやっているのは「指先神経集中法」です。
真ん中と右 真ん中と左のスロットルバルブを 同じ手指先に触れておいて
アクセルを動かしていく時に 動いた瞬間が同じになるように合わせる方法です。
指先の感覚勝負です。 右と真ん中 左と真ん中のタイミングが同じならば三つとも同じタイミングだ!という方式です。

あと名古屋式というか昔名古屋の先輩に習ったのは「スプーン法」です。
これは三つのスロットルバルブにスプーンをさしておいて アクセルをあけていく時に
動き始めるタイミングを合わせる!というものです。
これは視覚で勝負してます。

色々な方法を教えていただきましたが ドシロウトなりに うまく合わせやすい方法を
記事にしておきます。
アイドリング調整は色々と難しいですが アイドリングはまあ善しとするなら
同調だけなら結構カンタンです。
今は走れているというヒトは ここから先の同調調整だけでも エアインレットパイプを
外して挑戦してみるのも良いと思います。
「スロットルバルブを触りながら アクセルワイヤーのアジャスターを緩めたら スロットルバルブが落ちてきました!」
というヒトは南無南無〜♪

写真17
今回は わたしがよくやっている 目と手指の感覚で合わせる方法を記事にします。
オイルポンプの調整も兼ねてますのでやってみて下さい。アクセル操作のアソビについてまず書きますが アクセルのアソビは
まず1 オイルポンプもスロットルバルブも動かない分枝ボックスより手元のアソビ 
次に2 オイルポンプのレバーだけが動くアソビ があってから
スロットルバルブが動きます。
よろしいですかな?
1のアソビは 走りまわってアイドリング調整をせよといった時に大きくとってると思うので まずオイルポンプが動き出すまでを ほどよく調整してください。
アクセルグリップから分枝ボックスまでの部分にあるアジャスターで調整します。
オイルポンプのレバーは アクセルを動かす前には 写真程度に合いマークから外れているようにしておきます。
その調整はオイルポンプ付近のワイヤーアジャスターで行います。
ここまではよろしいか?
この段階でスロットルワイヤーのアソビがなくなってる場合はキャブレタートップのアジャスターをゆるめて 遊びを持たせといて作業してください。
写真18
同調合わせは 写真のように座って 右手はアクセルを捻りつつ
オイルポンプを見ながら 左手はスロットルバルブを触りながら作業します。
スロットルバルブは イッコずつ指で触れて イッ気筒ずつ調整していきます。
写真19
アクセルをジワジワとあけていくと まずオイルポンプもスロットルバルブも
動かない角度があります。
これが 1のアソビです。
このアソビは 分枝ボックスからアクセル手前のアジャスターで調整します。
全くの好みです。 アソビはつめてある方が回転の上がりがシャープになったような錯覚します。
オイルポンプをにらんでいて 動き始めたら左手に意識を集中します。
写真20
オイルポンプの合いマークが合った瞬間!にスロットルバルブが動くように
アクセルワイヤーのアソビを調節します。
この目で見た厳密さと左指の感覚を合わせてやってますので シャープな視覚と指の触覚でかなり厳密に合わせることが可能です。
目で捉えた合いマークは 合いマークの刻印の幅すらも分厚く感じられるほどです。
厳密に三気筒とも「合いマークの同じ部分に合ってるところ」でスロットルバルブが動くように調整します。
オイルポンプの合いマークを文字通り「凝視」しながら各スロットルバルブが開き始めるところを見て!比べます。
「右に比べたら左は合いマークの線のはじっこ分ちょっとだけ遅いな」
というぐらい厳密に合わせることができます。
これができたら 隣のキャブどうし指で触れながら開くタイミングが合ってるのを確認します。
右と真ん中 真ん中と左が 同じタイミングで動き始めるのに気がつくと思います。余談になりますが 指先神経集中法であわせても オイルポンプの合いマークで合わせた場合
どうしてもズレがでているのに気がつきます。
写真21
キャブの同調とりというのは アクセルを捻り始めてから スロットルバルブが動くタイミングを
三気筒とも揃える ということです。
だから まずはアイドリングが調整できていて(すなわちスロットルバルブが落ち切っている時の高さを調整してある)
初めて アソビの調整ができると考えます。
だから 同調がとれている筈の状態で アイドリングだけいじったら 必ず同調は狂うということです。
わかるかなー♪
写真22
だから これからは アクセルを放した状態で写真のようにオイルポンプの合いマークが合ってると言うことはなくなります。
今までは 初心者向けにスロットルが閉じている時にも合ってるようにしましょうと書いてきましたが 厳密には スロットルバルブが開き始める時にマークが合ってる状態をよしとします。
ただし 同調とりまでできないビギナーは これからもオイルポンプの合いマークが合ってるように調整してください。
写真23
同調があっているのを確認したら ロックナットを締めます。
ロックナットを締める時は アジャスターが回らないように締めます。
ロックナットはやわらかい材質でできているのですぐにバカになりますので注意。
オイルポンプのワイヤーのロックナットも忘れずに締めます。
あそこは逆に ナットよりもアジャスター側がボッキリと折れますので 閉め過ぎ注意。

写真24
インレットパイプを戻す前に スロットルバルブをみます。
アクセルを締めた状態です。
開き具合はどの気筒もだいたい同じだと言うことを確認します。

キャブにインレットパイプを留めるリングが巻きつけてありますが 
あそこに引っかけておいて パイプがくっついたらパイプに下ろしてきて
ねじ止めしています。
インレットパイプのエアクリーナーケースとの接続は嵌まりにくいので
最近ではエアクリーナーケースを留めているボルトを外しちゃって
嵌めて 締めつけて固定してから ケースを固定するほうが早いって
気がつきました。

写真25
全開にした時の写真です。
アイドリングアジャストロッドがビヨーンと伸びているのが見えます。
アジャストロッドはアジャストスクリューに固定されるものなので
アジャストロッドが曲がっているとスロットルバルブの落ちが悪くなるのがうなずけると思います。

写真26
左のキャブの写真です。
アイドリング時は だいたいこれぐらいです。
かなりあけないと 他の気筒とマフラーの排圧が違う場合は 内燃系の問題や
マフラーが詰まっているとか 火花のとびがわるいとか
色々なことが考えられます。
パイロット系が詰まっていると メイン系に手伝ってもらうのが大きくなるので
スロットルバルブの開きが大きくなるというのもあります。

耐油チューブ「すけすけくん」は現実には 耐ガソリン性は低いです。
縮みますしね 余裕をもたせて使ってください。
ガソリンが落ちているか 常にみていたいので わたしは好きなんですが
嫌いなヒトも多いです。
スケスケくんも黒いチューブもしばらく使ったら カチカチになりますので
定期的に交換です。

写真27
同調調整で大事なのは アクセルを全開に捻ったら スロットルバルブが「全開」になっているかです。
全開にして 指で スロットルバルブが全部上がっているか確認します。
手前はカッタウェイなので スロットルバルブの奥側の下縁が全部上がりきっているかを見てください。
1のアソビを大きくとっている場合 全部上がりきっていない場合もありますので注意してください。
あとは アイドリング調整の時に イッ気筒だけ極端にスロットルバルブが低い場合に 同調調整をしたあと 全開にしても
上がりきらないことがありますので これも注意。
写真28
デスビローターは やはりスパークかすが付いていたので オイルストーンで
磨いて掃除します。
こういう機会にちょちょっとやっておくと良く走ってくれます。
写真29
貴重な部品なので 余分な部分をケズリ過ぎないように。
写真30
デスビキャップ側端子も磨きます。 やわらかくって削れやすいので注意。
木ねじが入る穴はグリスで封印して 錆びるのを防いでいます。
デスビキャップこそは 代替品がないので 手持ちの純正品がなくなったらオシマイです。
デスビキャップは だんだん劣化します。
キャップの樹脂も劣化しますし 内部の導通金属部品も腐ってきます。
一度リークし始めると リークする道ができちゃうみたいです。
木ねじの緑青を時々落とすことと ハイテンションコードは 良いものを使って
抵抗が少ないようにして乗ります。
デスビ周辺のメンテナンスをマメにしてください
写真31
どのコードをどこに刺すかは 木ねじでとめる逆側にあります。
よく コードの刺し違いや プラグ交換したあとのプラグキャップ(コード)を
違う気筒に刺して エンジンがかからなくなるヒトがいます。
デスビキャップを交換したあと どのコードがどこへ行くのか書いておかないと
間違って固定することがあります。
わたし自身は ICとL CとRを逆転して留めたことがあります。
そうすると イグニッションコイルから来た電気は Lの端子から入ります。
んで ローターがLに来ている時だけ ICから出たプラグコードに流れます。
CとRは飛びません。
CとR分の火花は デスビキャップからエンジンに放電しているのが見えました。
コードを交換する時は テスターで導通を確かめながら確実にしましょう。
写真32
オイルポンプの動きで同調を取る方法はA1なんかでも有効です。
A1は両サイドにキャブがついてますので 同時にスロットルバルブを触りながら
アクセルを動かすことできません。
写真33
A1は オイルポンプレバーがストッパーから離れる瞬間にスロットルバルブが動き始めるように合わせるか
1ミリのプラ板をストッパーに挟んでおいて動き始める瞬間にスロットルバルブが動くように
調整します。
Aシリーズも 調整が終わってから アクセル全開にして スロットルバルブの下縁(カッタウェイ部分ではなく 奥の下縁)が上がりきっているかチェックします。 
写真34
最後に アクセルワイヤーの分枝ケースをフレームに固定している写真をおいて
締めくくります。
ケースを直接フレームに押し当てると変形することがあるので ゴム板を挟んでタイラップで留めています。
ここでフレーム=エンジンに対して動かないように固定しないと ハンドルを切ったときに
動くようでは 折角調整した同調がすぐに狂います。
同調って 数百キロ走って来たら もう ちょっとずれている印象です。
キャブレターキャップを外してスロットルバルブをいじったり その時に ワイヤーのとりまわしが変わった時なんか すぐに変わってるような気もします。
写真21を見てもらいますと 結構キャブの蓋のところから 急に折れてますが ああいうワイヤーのアウター側が
傷むとりまわしにならざるをえないので アソビが広がったりしやすいのだと思います。
ワイヤーに余裕があるように固定されるべく 分枝ボックスを固定してください。

キャブの同調のとりかた編 H17年11月1日編集




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