マッハIIIピンポイント整備入門

クラッチ板 とっかえ編

第一日目 前編

この日が来るまでに 色々用意したものがあったが 工具は何一つ特殊なものは無い。
最近は手頃な値段でコンプレッサーや エアツールを買うことができるので いわゆるサンデーメカニックでも このような
プロ並みの装備を持っている人が多い。 ブラストマシンを持っていても 小驚きぐらいである。 話しは逸れたが
普通のめがねレンチや ラチェットぐらいである。 昔の単車は整備に特別な工具を あまり必要としないところが
良いのだ。 サービスマニュアルを何度か眺めていると オイルストーンや 上死点出しのダイアルゲージ 液体ガスケット
ぐらいが要るなあと予想された。
また いつもながらサービスマニュアルは説明不足な点が多いので 写真を撮りつつ作業を進めた。
組み付けは 分解の逆に行います マル みたいな説明しかないもんね。 ま コッチがど素人なので仕方ないか…。
不親切極まりないんで 整備入門のネタにすることにした。


今回の整備目的は次の三点だった。

1フリクションプレートをバーネットに交換し バネはスペシャル0.5ミリロングを使って組む。
2かねがね気になっていた 右カバーからのオイル漏れを完全に解消する。
3デスビシャフトは初期のものが入っているので メンテナンスしやすい普及版に交換する。

カミさんと子供二人いる身で 昔のように朝から晩まで飯も食わないで機械を触るということは無理に近い。
やれ買い物だ 昼飯だとなるので 「今日は昼御飯が済んだらガレージ作業をしたい」と朝食時に宣言し 買い物は午前中
につきあっておく。 今日の作業が終わったら子供を公園に連れて行くということもほのめかしておき 昼食が終わったら
そそくさとガレージング開始だ!




どこまで外せば 作業がしやすいかは 初めてすることなので分かり難い。
雨の中でも走った後なのでマフラーも磨きを入れるつもりで外してしまう。
ステップやブレーキペダルも外して作業するが 誤ってブレーキ灯スイッチの
スプリングをぽっきりと折ってしまった。 とほほ。 メーカーから出れば良いが。
老婆心ながら ワイヤーとペダルのジョイントを外して ペダルを外してしまった方が良いと書いておこう。
かねがね気になっていたことに W1クレージーズ作のリアステップバーがKAに
合わないかと…。 このリプロパーツががすごいことにステンの削り出しで
よ〜くできている。 カチカチッとしっかり折れ曲がっていい感じ。
比べてみるとネジの部分が少し長いだけのようで 切って使えばいけそうだ。
伸ばした時 だら〜んと垂れ下がるペダルは これに交換するとカッコイイかも。
タコメーターワイヤーを外すと デスビカバーが取れるので いっきに作業しやすく
なる。よって まずはこれからとることにする。
指で回したら取れるぐらい緩んでいた。 ハハハ…。
ミッションオイルはサイドスタンドを立てた状態で抜くと オイルバットをいれやすい。 センターを立てると スタンドの足が邪魔になるのだ。
クラッチ交換ぐらいなら 左側にオイルが少し残っても問題ないだろう。
デスビキャップを外す。 デスビローターは青竹色の古いロットのものが入っている。 これは普及版のローターだが シャフトは初期のものが付いており ローターを加工
して無理矢理に付いていて 以前から気になっていた。


今回はこれも解消する予定。
ひとつの不安は 右カバーを外すと デスビのタイミングもガラリと変わってしまう
のではないかと言うことだ。 SMには 最後に右シリンダーの上死点出しをして
デスビをマークに合わせて組むとある。
では 開ける前に デスビはどのへんにあるか大まかに見ておこうと思った。
ドライバーで大雑把に上死点出しをしてみたら…
右ピストンが上死点にある時は このマークの範囲内にある事を確認。
あたりまえと言えばあたりまえかも知れないが マニュアル通りである。
後で後悔したくなかったので試してみた。
オイルポンプに入るチューブを抜くので 大惨事になる前にオイルを抜いておこう。 するとオイルタンクの中にかなりゴミが溜まっていた。
一見キレイでも 叩けばいくらでもホコリが出る単車だなあ。
オイルタンクは外して ガソリンで洗うことにする。
このままだといつかストレーナーの目詰まりをおこして オイルが供給されなくなって
いたかもしれない。危ない危ない 。
オイルラインは 柄の短いドライバーでも突っ込んで栓をしよう。
それでもじわじわと漏れたので タイラップで締めておいた。
オイルポンプのバンジョーボルトを外す。
この数年 オイルラインにエアー噛みすることもなく オイル漏れすることも無かった
だけに外したくなかった。 ロックワッシャーは気前よく交換する。
オイルポンプレバーのワイヤーを外す。
注意すべきは オイルポンプはカバーに付いたまま外れるので ポンプを外すことは
不要であることだ。 これで 右カバーのネジを外せば カバーは外れてくれる。

右カバーのネジをすべて外し プラスティックハンマーで 少しずつ叩くとカバーが
浮いてくる。 隙間にドライバーを入れて こじってカバーを外すと合わせ面に
傷が付き オイル漏れの原因になるのでなるべくしないように…。

ああ〜カバー外しちまったよ〜 後には引けないよ〜




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