
メジャーマイナーを問わず ひたすら恐竜模型を作りつづける氏は
紛れも無く日本の恐竜模型の第一人者であろう。
(とヨイショしておこう!)
荒木一成
恐竜模型の世界へGO! |
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「インターネットは 数は少なく各地に散らばるコアなマニアを結びつけた 素晴らしい道具である」
これは古い友人の一人である荒木一成氏の名言である。 氏曰く 恐竜模型のようなマニアックでマイナーなもん
身の周りで熱く語り合うことなんか無いが インターネットを通じて可能になったとのこと。
我らがパーツ虎の穴も 海外のマッハ道楽事情をレポートしつつ パーツの海外買い付けに挑戦してみようと思う。
「7台のカワサキを都合で売り出すんだけれど アンタも一台どう?」
スェーデン在住のHakan氏から突然Eメールが来たのは一年ほど前になる。 スェーデントリプルクラブに写真を載せて頂いてから
海外のファンから時々メールが来るようになっていたのだ。
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スェーデン在住のHakan氏のコレクション(の一部)。
いい所に住んでいるよなあ。
ガレージはいわゆるスェーデン式で 例にもれずバカでかい。
そして半地下のファンルームという 雪に埋もれた間そこで遊ぶ部屋があるらしい。 そこで冬の間レストアに励むそうだ。
「ゆりかごから墓場まで」
福祉国家を詠うスェーデンであるが 今も徴兵制が布かれており
国情の違いが伝わってくるのもインターネットの面白みである。
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メールの多くは 「H2の新品マフラーは日本で買うことは出来ないか」とか
「カワサキはけしからん KAのタンクを注文したのに 一年以上経ってもディーラー(確かイタリアだったか?)に入荷しない」といった苦情系であったが
彼のメールは冷やかしとはいえ
「スエーデンのウチにあるバイクを買わないか?」ときたもんだったので こっちも調子に乗ってしまった。
以来 これをきっかけとして 部品や情報の交換をするようになっている。
彼は事情で H2やS1、KAなどを数台手放したが 一年も経たないうちに 前回のコレクションを上回る数の単車を買いなおしている。
皆がそうとは限らないが 彼らヨーロッパのファンは 自分が好きな車種は何台も何台も所有しているのが目に付く。 いい出物があると速攻で飛びつくようだ。
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NOSパーツと車体で2000ドルほどで買ったというKA。
いいハナシは続くもので この週は書付きフレームも入れてなんと7台カワサキを買ったと大喜びしていた。
置く所に困らないところがのびのびしている全ての原因かもしれない。
イギリスのバイヤーズガイドを見ていると KAで200から2500ポンド
H1Dが200から1600ポンド H2で600から4500ポンドとある。
1ポンド170円ぐらいとしたら…。
イギリスではKAよりH2の方が断然高いのね。
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部品は個人間で取引されることが多く NOS(New Old Stock ストックされていた新品部品という意味)パーツが比較的豊富に出回っている。
これらは昔 それこそウン百万円分ぐらい買ってストックしてきた個人から 小出しで売りに出ることもあれば アメリカやオーストラリアから買い付けられたものが出回っているのかもしれない。
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イギリスの雑誌のスペアーショップの広告
スクラップやサルベージ屋さんも多いが スペアーショップとは 自分の趣味で莫大なパーツストックを抱えたファンが 会社を辞めてお店をはじめたなんて店が多いらしい。 単なるバイク屋からはじめて トライアンフやBSAのリプロパーツ屋になってしまい1台丸々組めるぐらい部品を出しているお店もあるらしい。
そこまでやるバカには中々なれないが そろそろ日本もメーカーに期待するのを
止めてファンの側が担い手に回ってもいいのではないか というのが
パーツ虎の穴の本題なのだ。
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本気で探して見つからない部品は殆ど無いというが ディーラーから普通に出てくれれば もっと気楽に乗りまわすことが出来るのにと愚痴を聞かされることもある。
しかしヨーロッパの多くのファンは ディーラーへの不満を並べるのはとっくに辞めて お互いの間で助け合ってうまくやっていくのがもっとも自然でバランスが取れた状態だと考えているようだ。
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ヨーロッパのファンの中でも KAのタンク下リフレクター
いわゆるエグリタンク
ミッションギア スタンダードシリンダー マフラーなどの状態のいいものは殆ど見つからないらしい。
シートなど張り替えればいいと思うが 元もとのモールとシート後ろの文字は
なんとか残したいなんて日本のマニアさんと同じ事を言うのが面白く
つい笑ってしまうことがある。
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イギリスのファンに 日本ではH2が100万円ぐらいで売られているのは本当かと訊ねられたことがあったが
残念ながら本当だと答えた。 イギリスでもZシリーズやマッハ系、GT750や四気筒CBなんかは人気が高いらしい。
「人気のある車種は かえってタマ数が多く出回るので 安く手に入る筈なのだがなぁ」と言われた。
値段は人それぞれの価値観で決まるものだが その国の物価やコンディションはどうあれ H2やKAを8000ドル以上で売買するなどクレイジーだと彼らは言う。
むしろもっと希少なメグロやライラック、ホダカ等の方が高価で売買される価値があるという。 旧車ファンとしてもそっちの方がステイタスが高いのだそうだ。
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どこでどうむこうに渡ったか不明のライラック
モトグッチレプリカだが 本家よりも品質が良い面もあるなどと誉められている。
マッドマニアの本場には我々は中々勝てそうに無いなぁ…。
このバックグラウンドには 古い物を大事に使い ある程度自分らで手を汚して
維持していこうという国民性があるんだろうと ありきたりながら考えてしまう。
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彼らのマニアぶりを語り出すとキリが無いが 物価や 空間的ゆとりの違いは明白であろう。
あまりにも物価の違う感じがする時に彼らのパーツやコレクションを譲ってもらうとすれば 日本で手に入るパーツとの物々交換が最もうまく行くかもしれない。
(日本のパーツを送ってあげても 向うにとって値段が高すぎて喜ばれない事もある。)
さらに後で実例を挙げるが 日本から海外銀行への振り込みは かなり手数料がかかることもあり あまりおススメできない。 いよいよ 次のラウンドでは実際海外からパーツを買ってみたその経緯をレポートしてみたい。
パーツ虎の穴 ゆくは地獄か極楽か…。
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