A1のオイルタンクが手に入ったので サイドカバーとガソリンタンクも手に入れたくなった。
もし値段的に手ごろならば Hakanさんに初期のA7のタンクを日本でレストアして送ってやろうと思うようになった。
彼は 青影計画のために買ったA1を 何年でも預かってくれている(家が焼け落ちることになったらスマンとのこと)、
その上税金も払ってくれているし 計画が実際に発動すれば車検も取ってもらわなければならない。
色々と迷惑を掛けているのだ。(実際には何年 いや十何年後かもしれない。) 冬はバイトのかきいれ時でもあり
少し懐も暖かかったので ムクムクと物欲パーツ欲がでてきた。
そんなある日 オーストラリア在住の日本人の方(S氏とする)とメールのやり取りをする機会を得た。
マッハ等のパーツを大量にストックしており それを買わないかということである。
手元にないパーツは知り合いの間で探してあげるとまで言ってくれている。 この際 日頃欲しいと思っている部品を色々と相談してみようと思った。
ひょっとすると 日本の専門店で売られているような値段ではなく 直接向こうから取り寄せるのだから もうちょっと手頃な
値段で状況の良いものが手に入らないものかと期待してしまう。
まずA1最終型の外装セットが欲しかった。
日本の業者に頼んでアメリカで探してもらっていたが 何時まで待っても返事が来なかったので半ば諦めていたものだ。
このS氏の素晴らしいところは何点かある。
一つは当然日本人なので日本語が通ずる、当たり前なようで有り難いことだ。
その次は フットワークの良さだ。 彼に問い合わせのメールを出すと 早ければその翌日には写真入りのメールが
返ってくるのだ。 無いものはないで 探しておきますの返事とともにフェードアウトと言うことがないので たいへん気持ちがいい。
次にすごいのは なんの心配も要らないぐらいによく知っておられることだろう。
タンクの写真にしても これは何年型、次は何年型と正確な知識をもって撮ってこられる。
エンジンパーツでもこの年式まではこの部品で 後はこうなるといった具合に細かいディテールをよく知っておられるので
(少なくともマッハ関係は)まるでマニア間の拘りの会話がそのまま通ずる。
日本国内のいわゆる専門店よりもよく知っている印象であるので きっと我々に負けず劣らずマッハ好きなのであろう。
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部品のコンディションに関して かなり詳細
な情報を知らせてくれる。
しかも早い!! 人一倍イラチなのでこの
フットワークの良さと 無いものは無いと
言ってくれるハッキリしたところが気に
入っている。
S氏はこの仕事だけでなく 観光関係の仕事もしているらしいので ひょっとすると
オーストラリア旧車ツーリングの足がかりにもなるのではないかと 全く勝手に想像している。 |
Aシリーズのガソリンタンクは 結構多数在庫していた。 すべてサンドブラストの上 錆止めの塗装を施してある。
凹みや内部のコンディションも詳細に知らせてくれる。 そのレスポンスの良さに感激し 数点のマッハのパーツも問い合わせたが 相変わらず情報が早く正確だった。
また彼は 車体の日本輸出の経験もあるのでレストアベース車を探してもらうことも出来るなあと思った。
航空荷物で送ってもらうと 二週間ぐらいで来る筈なので 彼自身が金銭的に信頼がおければ 言葉の取り違いなど無く 安全に買い付けることが出来る。
値段も長い間探し諦めかけていたので まぁ納得いくところかなあ…と思ったところである不安がよぎった。
英語で書くこともなく 情報も早いので日本国内の取引と勘違いをしていた。 彼が住んでいるのは 南半球だ。
そう考えると たぶん例の海外送金をしなければならないのだ。 海外送金の手続きが煩雑であることを前に書いたが それだけではない。
振り込み手数料がかなりかかるのである。 手数料は確かパーセント割でかかるのだ。
つまりたくさん振り込めば振り込むほどお金がかかる。 実はこの段階でかなりのパーツを注文するつもりだったが 今回は試しに最低限必要なものだけとした。
午前中に銀行へ行って 海外送金を申し込んだが 当日の取引レートが決まるのは12時前頃なので 昼から出直して欲しいと言われ手続きの途中で引き返すことになる。
指定の時間へ銀行へ出直して再び列に並び手続きをする。
一人の行員があちこちに電話を入れ 問い合わせつつようやく手続きが終わる。 国内に入っている外資系の銀行なら
ひょっとしてもっと手軽に手続きが出来るのかもしれないが 経験不足で分からない。
品目 |
オーストラリアドル |
日本円(1オーストラリアドル=71.08円) |
A1Bガソリンタンク |
220オーストラリアドル |
15637.6円 |
A1オイルタンク |
200オーストラリアドル |
14216円 |
KAグラブバー |
130オーストラリアドル |
9240.4円 |
航空輸送代 |
80オーストラリアドル |
5686.4円 |
合計 |
630オーストラリアドル |
44780円 |
電信手続き代 |
***** |
6600円 |
総計 |
***** |
51380円 |
行員にこの電信手続き代について問いただすと やはり取引額に対し一定の割合でかかるのだと言う。
家へ帰って 計算すると 約14.7パーセントだ。
品物の空輸運賃よりもコンピューター電算処理で彼の口座に振り込む方が高くつくとは!
これを彼に話すと 哀れに思ってくれたのかサイドカバーをオマケしてくれた。
この法外とも言える電信手数料は 彼が悪かった訳でないのでいたたまれない気持ちである。
この後の買い付けの時から 彼の日本の仕事上のパートナーの講座に振り込めば良いようにしてくれたので
国内の振り込み料になり かつCD機で処理できるようになった!
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モノと値段の関係はコメントせず 読み手の価値観にゆだねる事にする。
状態はどうあれ KAのグラブバーは探しても出てこない部品の1つだったので
宿願が叶ったと言える。
これらA1のパーツは総剥離の上 板金し塗装する(してもらう)ことになった。
グラブバーは曲がりを直し 下地処理の上メッキ出しの予定である。
ここで再びお金がかかるのである…。
まあ 大人の道楽としてこの過程も楽しみたいものだ。
(なお彼に連絡をとってみたい人はメールでお教えします。御相談下さい) |
さて これら二件の海外取引をみると 国内で探して容易に見つけることが出来なかったパーツを比較的早く簡単に
手に入れることが可能だったと思われる。
日本でこのテの部品を仕入れて販売し ある程度儲けを出そうとすれば 物価の安い国からひと山ナンボで買い付けたり
部品どり車を安く仕入れて バラしてパーツとして売るしかないのだろう。
国内で売られているこのテの部品も 高い印象でもそれほど大売れしているわけでもなく
手間がかかる割にお金にならないのかもしれない。
彼ら業者にしても これらの輸入パーツが安定した利潤をもたらすものでもなく 実際にはお小遣い程度の利潤しか
上がらないのかもしれないなあと思われた。
パーツ虎の穴 ゆくは地獄か極楽か…。
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