オイルポンプに鍵のトラブル、ウィンカーステーどないしょ?とぐ〜るぐる頭の中をめぐらせて数日を過ごした。
とにかく 電気系をなんとかせねばと言う結論に達しハーカンから貰った90シリーズオーナーマニュアルの回路図を拡大コピーして眺めた。
…ふと学生の頃のドイツ語やフランス語の先生が言っていた言葉を思い出す。
「語学はラテン語も含めて 長い間じ〜っと眺めると なんとなく意味がわかってくるものだ」
当時はホンマかいな?と半信半疑であった。 しかし海外旅行をするたびにこのことを実感することになる。 分からない単語で書かれているメニューでも空腹を我慢しつつ ジーっと眺めると それが魚であるとか 肉料理であるとか デザートは何であるとか理解されてくるのである。 話はそれたが 苦手千万であった電装系でも 回路図をじ〜っと眺めると見えてきた見えてきた!
ガレージに下りて実物の配線と回路図を見比べてみる。
まず気がついたのは ヒューズが付く場所はバッテリーのマイナス側であり ハーカンが示してくれたバッテリーが付くギボシのプラマイは逆に書いてあったということが分かった。 次はキーボックスを外した配線を オンの状態になるように接続してみた。 するとニュートラルランプがぼんやりと灯ったのだ!
さらにプラグを付けてキックしてみたら見事な火花が飛び始めた。
よ〜しよし やれるで〜!
早速勢いづいて部品を注文する。
必要なエンジンガスケット類やマフラーコネクターゴムキャブ周りのパーツそれからそれから どうせ右カバーを開けるならクラッチ板も取って交換しよう。 どうせならキレイなねじに交換しようとパーツを注文した。
大物パーツや外装 なんとワイヤー類は出なかったがゴム部品などの消耗部品はかなり出るのだ。 恐らくはKM90やその後のタイカワサキに移行した90シリーズと共通しているからだろうか。思ったよりもかなり供給は良好だ。
ぺいさんちに頼んで発注したワイヤーも送られてきたのでもはや機は熟した!
12月28日
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28日30日と夕食のかわりに小宴会を予定すると カミさんは「実家へ帰るので大晦日の晩に来てくれたら良い」と言い残して子供を車に乗せて帰ってしまった。
これ幸いとガレージへ下りた。
ハーカンはキーボックスの新品をイギリスの友人から送ってくれると約束してくれていたが どうやら雲行きが怪しくなってきた。
もはや諦めてGA2のメインハーネスをそのまま移植してGA2のキーボックスを使うことにした。
このキーボックスも鍵が無いので使えることを確認したら鍵屋さんに作ってもらわなければならない。無いものは仕方が無いのだ。 コピーしていただいたパーツリストからキーボックスを注文したいがちょうどそのページが無いので注文のしようも無かったのだ。まさに鍵に関しては無い無いづくしだった。
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GA2のメインハーネスは 忘れられて流しの下で何年も過ごしたスルメのようになっていた。 しかもこれでもか!というぐらいに油泥でよごれている。
元々がどこと繋がっていたのか分かるようにテープにメモして貼りつけて外していった。 しかしフレームの隙間から少しずつ外してくぐらせるとテープが真っ黒に汚れてしまった。コードは完全に硬化し元と違う角度に曲げるとすぐに折れてしまいそうだ。 |
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一本一本 もとの繋ぎ方どおりに復元していく。
ヨーロッパ仕様のGA5はスモールランプのオンオフがキースイッチでできていたらしくスモールだけ点けて走ることができたようだ。ややこしいのでヘッドライトもGA2から移植する。もはや理屈ではなく作業に徹した。
ワイヤー類のごちゃごちゃは生理的にだめらしい…
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一部のワイヤーはすでに変色していた。
どちらがグリーンでどちらがスカイブルーかもはや判別不能だ。
こんなワイヤーが多数あったので苦労する。
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分からないときは配線図を見て、どこと繋がっているのかテスターで調べて確認する。
GA2とヨーロッパ仕様のGA5の配線の違いはキーボックス周りと ポジションライトの辺りだけのようで共通する配線は多い。しかしコードの色が微妙に違うのでこんがらかってくる。
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このあと キーボックスをつけてキーを捻ったがニュートラルが点かなかった。
しかしキックをすれば火花が飛ぶ。しかもキーをオフにしていても立派な火花が飛ぶのだ! 遊びに来たはらだはんと暫しアタマを捻る。 ヨーロッパ仕様のボックスはコードが10本で国内仕様は6本、この4本の違いの一本はボックスのアース線だったことを思い出した。 国内仕様はボックスを直接フレームにアースしていたのだ! これで無事ニュートラルランプが点灯した。
ここまでくればエンジンを始動させたいのが人情と言うもので キャブを簡単に掃除してエンジンをかけてみた。ガソリンは数日前からお不動さんになっているラビットスクーターの完全混合ガソリン(ラムコ2ストオイル入り!)をもらって始動させた。
20回ぐらいのキックで始動することができた。
なぜか アイドリングスクリューをかなり捻ってもアイドリングが上がらない。う〜む オイルラインからエアーを吸って一次圧縮が下がった状態になっているのでアイドリングが安定しないのか〜などと屁理屈に近い原因を思い浮かべてみた。
宴会が始まるタイムリミットが来たので ここでこの日は終了。
12月30日
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朝からヤルキを奮い立たせてガレージへ降りる。
あまりの寒さにヤルキが縮こまった…
奮い立たせてマフラー外しをする。マフラーの内側は意外とカーボンが少ない。良いオイルを最低量混合給油にしているとこうなるのかと少し感心する。
A1にも付いている赤いゴム部品でエキパイとマフラーを繋いである。この謎の赤ゴムは焦げて焼き付いていた。 幸運にもメーカーから新品のコネクターゴムが出たので助かった。
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ステップバーを外してオイルを抜く。
年が明ける前に右カバー開けは終わらせて新年はミッションオイルを入れて走ってみたい。今日明日中にすることはたくさんあるのだ。
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ちょっと横を見るとチェーンケースが目に入った。
う〜ん この際GA2のものに交換することにする。 チェーンケースを外すと何やら怪しいゴムが巻いてあった。汚らしいので引っぺがしてみる。
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どうやらスィングアームとチェーンが干渉するのを抑えるためにゴム板を巻きつけてあったらしい。
う〜ん汚らしいぞ〜。ゴムノリとビニールテープでグジュグジュだ。
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ブレーキペダルは何やらグラグラでガタが大きく効いているように感じられなかった。GA2のペダルと交換する。
恐らくはハッスル(チョ〜死語)してメッキしたのは良いが、シャフトを通す穴までメッキして厚みが変わり通せなくなったので今度はドリルか何かで穴を広げた、すると今度は穴が大きくなりすぎた というところだろう。
わざわざメッキしたスェーデン人のトホホ感漂う一品である。
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A1もGAもワイヤーを入手するのが困難だったのだろう。
切れたワイヤーのシースを少し切りとってワイヤーにねじ式の太鼓をつけて修復している。
時にはねじやボルトもケッタイなものに置き換えてある。
ジェット類などチェコ製の樹脂製のものが入っていることもあると聞いた。
そのわりに彼らが求めるのはワイヤーやエンジンパーツではなく、ガソリンタンクやマフラー エンブレムの類だ。
走るために必要なパーツよりも観賞用のパーツに力が入るのは万国共通らしい。 |
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クラッチワイヤーはレバー側もちょん切れて修復してあった。
このねじ式太鼓はツーリングなどでいざと言うときに役に立ちそうなので取っておくことにした。
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作ってもらった新品のクラッチワイヤーと比較してみると おお〜バッチリ!
短いのは 低いハンドル用のもので 元々はオプションハンドルに対応したものだったのだろう。 |
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新品を信用せずグリースを通してから組むことにした。
こんなところはバイク屋にやってもらったら絶対に気が回らないところだ。 組んでしまうと改めてグリースを通すのんめんどくさいもんね〜
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さてさて右カバー外しを行った。 これがなかなか取れなかった〜 |
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やはり!オイルポンプの駆動シャフトの長さが違う!
これでは組めるわけ無いよなあ…
ギアーは同じもので シャフトの違いだけだ。
ギアー自体は欠けたり痛んだりしていなかったのでまた使うことができる。
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ついでにクラッチのフリクションプレートを交換することにした。 こんな部品が供給されるとは嬉し涙がちょちょ切れる〜
プッシャープレートを外しスプリングを外したが ハブをサークリップで留めてあった。
とほほ…我が家にはサークリップ外しのプライヤーが無いのだ〜。へっぽこドライバーでサークリップを何とか外した。
(後日ホームセンターでサークリッププライヤーをとうとう購入した…)
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写真左下には 涙のキックリタンスプリングが見える…
この後 悲劇が… |
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フリクションプレートは案の定 磨り減って使用限界を超えていた。 スチールリングはもともと無いようだったが押し込むのにコツが必要だ。 ハウジングのガタ等は ひどかったとしても新品が出るとは思えないのであまりじっくりと見るのはよした。ドライバーで上手くこじってサークリップを止めた。 クラッチが間違い無く組めているように祈る思いだ。
できれば右カバー開けは 一発で終わらせたかった が…
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次こそ走行開始!
ついに生まれ故郷を走る!?
つづく
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