マッハIIIピンポイント整備入門

クラッチ板 とっかえ編

第五日目
月曜日は朝から一日雨だった。
日曜の作業の後から ボーッとクラッチ滑りの原因について堂々巡りの思考を巡らしていた。
クラッチ滑りの原因が分らない。 クラッチ板の組み方は何度も練習したので間違いはないだろう。 バーネットは
フリクションプレートのみ使用し スプリングは純正ものよりも品質もよく 0.5ミリほど自由長が長いものを使用した。
実際この組み合わせで問題なくなった人もいるので その点が問題になったとも思えない。 掲示板の書き込みを見ると
元旧大阪マッハクラブ会長のかみいさんは クラッチハブとスプリングプレートの合わせマークをを確認したか?と書いて
くれている。 え〜そんなことどこにも書いてないぞー! 心臓が止まりそうになったが それが原因なら ある種解決をみる
安堵感があった。 しかし色々なマニュアルを読んだり POP南に訊いたりして どうやらそれはH2や後期型のクラッチの
話しらしいと判明した。 スプリングを提供して下さったマー坊さんは クラッチレリーズの調整をしてみる価値が
あるという。クラッチレバーには充分なあそびがあり その必要はないのでは…とおもいきや
レバーのあそびと レリーズから プッシュロッドのあそびは別もんだとSMを見ていて分ってきた。
ひょっとしたらそれで解決付くのではないかと 光が射してきた。
翌日 火曜日は朝から快晴だ。
いずれにせよ このままでは済まされない。 とにかく一歩を踏み出した。

夜の仕事にいく前に 少し時間を取ることが出来たので 早速調整を始める。
クラッチレリーズはご存知 フロントスプロケットの真横にある。
ごついシールチェーンをはめると レリーズと干渉するぐらい
近いところにある。
レリーズのロックナットを緩めるとあるが スプロケが邪魔で入らない〜。
狭くて作業がし難いのだ。
ついでにスプロケカバーの内側の掃除もしておく。
極小のソケットを入れてみるが チェーンが干渉して これまた入らない!
イライラするなあ。 スプロケ外したるかと思ったら こんな径のボルトを緩めるには
モンキーを使うしかない。
モンキーみたいなへっぽこ工具をガレージで使うのはちょっとなあ。
「手裏剣」になった時の対策に この長径ボルトはいつも鞄に入れてあるが
工具がなければ意味無しだなあ。
かくしてこのボルトのため(だけ)に工具を買うことになるのだった。
スプロケの後ろにレンチを回すと やっとのことで緩めることが出来た。
チェーンももうすぐアカンかなあと こんなことをしている時に気が付くもんだ。
機械イジリは やればやるほど色んなことに気が付くものだ。
逆にやらないとぜ〜んぜん気が付かないものだなあ。
レリーズをマイナスドライバーで緩めたり締めたりしてみる。
締め込んで回すのに力が掛ってきたら クラッチスプリングプレートを押して
いるのだ。
押し始める一歩手前に調整した。 これであそびは充分であろう。
そのレリーズの位置を動かないように ロックナットを締め付ける。
本来は 少し重くなったところ(切れ始め)で固定すればよいと思われる。
この辺の調整は個人の好みと慣れである。
レリーズ側の調整が終わるとレバー側の調整をする。
レバーの付け根で調整しきれない時は タンク下の中継点でも調整する。
えてしてこのテの調整は 信号待ちでやることが多いが じっくりガレージですると
気分がよいものだ。

クラッチレリーズの調整をした後 早速乗ってみた が 残念ながら クラッチ滑りは相変わらずであった。
もうここで悩むのは止めて 手を動かすことにした!
すべてやり直しし 原因を究明して必ずや滑らないようにするぞと仕事への時間が許す限りカバー外しを行った。

今回は 外すものは最低限にした。
マフラーも付けたままで フットレストとブレーキペダルを早々に外してしまう。
点火時期を合わせたデスビキャップは惜しくもなく外し エアー抜きをした
オイルラインもオイルポンプと再び泣き別れだ。
ミッションオイルを抜いてビックリ! 数キロしか走っていないにもかかわらず
黒〜い色をしている。
POP南に聞いたところでは バーネットのフリクションプレートは
なんかすごくオイルが汚れるらしい。
ツーリングに行って帰ってきてミッションオイルを抜くと こりゃ〜なんか起ってるぞ〜
と思うぐらいに汚れていたので クランクまで割って点検したらしいが 異常が
見つからなかったと。
2ストなら ミッションとクラッチにしか循環しないが 4スト車なんかは大丈夫かいな
という感じがする。
確かにバーネットの説明書には 初期はオイル汚れが早いので ご了承くださいと
書いてあるが…。
この日は クラッチカバーを再び開けて スッキリして終了だ!
作業時間二時間三十分。

再カバー開けに躊躇していたら
「アカンもんはアカンので 次の手を考えるしかないんで さっさとやって下さい。
少々滑ってもそのままにしといたら良かったなんて そんな消極的なこと 絶対ゆうたらアカン!
レッドゾーンまでクラッチが滑らないKAを体感して欲しい!」と POP南にケツを叩かれた。
もう一度やり始めてしまったら むしろモヤモヤした気持ちは ミラーに映る白煙のように すでに彼方後ろに飛び去った!
GO AHEAD!
とことん 続く!




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