CB90復旧日記・その4
タンク再生編

 

4月8日


今日は朝からナンバー登録の変更に行く。 引越しに伴った原付のナンバーの変更がまだであった。 原付は我が家には4台あるのでナンバーを外してKAで行く。 ついでにCBも登録しよう。 まずは前にいた大阪市の区役所に行き転出の手続きをする。 いつもなら今までの紙に手書きで加えてくれる筈が 今日は長々とワープロ作業をしている。 やっと出来てきた新しい紙はA4ほどもある大きなものである。 四つ折りにしなければ従来の保険の証書の袋に入らない。 データー化するのもいいが 便宜的なことも考慮して欲しいものだ。
 
その書類を持ってそのまま吹田市役所に向かう。 4台まとめて連番にする予定が ラビットスクーターは125ccなのでほかと違ってピンクナンバーであった。 ざんねん。 新しいナンバープレートは大阪市内のものと大きさが違う。 プレートの大きさに二種類あるのは知らなかった。 帰って早速プレートを取りつける。 今までのプレートは保険のシールを貼るスペースが狭かったが 今回は計算して作ってある。 ただし従来のプレートホルダーは合わなくなった。 プレートが付くと早く乗れるようにしたくなってきた。 明日はタンクの錆取剤を買いに行こう。

 


4月9日

 
仕事の帰りにレーシングワールドというオートバイ用品屋に寄ってみる。 売り場をゆっくり回ると目的のもの以外にも手が伸びるので さっさとケミカルコーナーにいく。 それでもプラグとか変なスプレーとかを買ってしまう。 CBのタンクはあれだけ酷ければフューエルタンクライナーを使うしかないだろう。  
タンクライナーはアメリカ製のタンク内コーティング剤である。 錆取り剤と コーティング樹脂のセットで売られている。 これには10年前にもお世話になった事があった。 ところがお店にタンクライナーの姿が見られない。 売り子の兄さんに尋ねたが 最近は売れないので輸入業者が仕入れるのを止めようとしているので おいていないという。
そこで薦められたのが花咲かGであった。 なかなかのスグレもんとのウワサは聞いていたが このネーミングとラベルのファンキーな感覚にはついていけない気がする。 防錆効果も高いし安全に捨てることが出来ると書いてあるので 結構いい値段するが買ってみることにした。 しかし あのヒドイ錆を落とした後に健常な金属面は残るのだろうか。

 

 
4月11日

 
花咲かGを使ってみる。 まずはタンク内部の洗浄だ。 コックを取っ払い 給油口からゴムホースで水を入れる。 気持ちのいい作業ではない。 ゆすいで水を出すと錆がひたすら出てくる。 頭の上に掲げて全身でシェイクしていたら 御精が出ますねえと近所のおばさんに声をかけられる。 洗浄後改めてタンク内を覗くが やはり錆が酷く鍾乳洞のように見える。 コックの穴にゴム栓をかまし ガムテープでだめおしをした。 錆のひどい時は原液で三時間ほど浸してからお湯を入れて希釈するとある。 原液を入れ 三十分おきにタンクを傾ける。 その後は 当然ポットの熱湯をおごって赤錆くんには鎔けてもらうことにした。 一時間おきぐらいにタンクを揺すぶったり 傾けたりした。
 
タンクの番をしつつ スピードメーターの球を替えたり フロントスプロケの様子をみる。 カミさんがご飯だ お茶だと呼びにくる。 ついでの一撃「新しく買ったコレって おまわりさんのアレね〜。 出前のカブの次は交番?」
おいおい我が愚妻よ、これはゴキバイではないぞ…。 当時のスポーツモデルなのだ といってもムダか…。

 
4月13日

 
G液をいよいよ抜いてみる。 液はあと何回かは使用可能と書いてあるので 一応取っておく。 錆がひどく混ざっているのでコーヒーのフィルターを通して ペットボトルに入れて保存する。 タンクをまた水道の水で洗う。 錆水が出ていった後は…スゴい! 錆がキレイに取れている!!しかも タンク内壁は薄い灰色をしており コーティングになっているのか! これはスグレもんだ!
しかし(これはGのせいではないと思うが)タンクの溶接面から少し滲むように液漏れがある。 おそらくは錆が進行して溶接面から穴が開き始めているのだろう。 その部分はハンダでもするか めんどくさいなあと思いながらタンクの水切りをした。 あとは数日 自然乾燥させて組んでいこう。

 

4月15日

 
さあ タンク組んでいこうかいな それにしてもキレイになったもんやなともう一度覗いてみて驚いた。 タンク内壁にすでにうっすらと錆が出かかっているではないか!
特に水滴が残っていたと思しき底の方はまた赤〜くなっている。 花咲かGでリカバーするには元が酷すぎたんだろう。 まあプレス面からのリークもあるし この状態でタンクライナーをコーティングしてやるといいだろう。 早速タンクライナーを探すことにした。 新宮のオッちゃんもよく使っていたので 在庫として持っていないか電話してみよう。

 

4月17日

 
新宮に電話してみたが 残念ながらもはや在庫はないとのこと。 かわりに用品の卸屋さんの電話番号を教えてもらった。 なんと大阪市内であった。 電話してみると タンクライナーは 別に販売中止でもなんでもないらしい。 しかも買いにいけば売ってくれるらしいので 速攻で買いに行く。 これ以上錆が酷くなる前にコーティングして隠してしまおう。 目につかなくて 錆がコックに詰まらなければいいのだ。

 
 

4月21日

 
今回手に入れたタンクライナーは 三本セットであった。
かつては錆取剤とコーティング液だけだった気がする。 脱脂脱水効果のあるB液が加わっていた。 錆取りの後これでゆすごうというわけである。 錆取りは終わっているのでB液から始める。 この液が強力なアセトンというか有機溶剤の匂いがする。 塗装面に付かない様にしてくださいと書いてあるが なるほど悪そうである。 タンク内をゆすぐと 下水に流さず おおまかに再び容器に戻した。 残った液はすばやく乾燥していく。 そこへコーテイング液を流しこんだ。
相変わらず強烈な匂いだ。 全体に行き渡るようにあらゆる角度に傾ける。 15分ほど傾けておいて また別の角度に変える。 数時間後に流動性が落ちてきたら さらに液を加えて壁面にいき渡らせる。 気化した空気を直接吸いこむとのどが痛くなるので注意する。
残った液は これも 今回は 下水に流さずごみ箱に落ちるようにした。

 
 

4月22日

 
W1のレストアを着々とすすめているつねくんが遊びにきた。
 
前々からホンダの原2に異様に強いことは知っていたが 特に 92とか93とか言い出すとまるでイタコに神様が降りてきてしゃべりだしたように ひたすら説明してくれる。 内容も興味深いが その話振りに引き込まれてしまうのである。  
 
その彼が言うには CB90系のエンジンは50とは別モンのエンジンだというのである。
むしろ125のボアダウン版であるそうだ。 そういえば 50のシリンダーはもっと細くて華奢だった気がするし クランクケースも90にしては かなりごっついよなあ。 彼によれば この系統のエンジンはホンダの名作で最近のSL230なんかもこのエンジンの末裔であるらしい。 まあ とにかく あのR&Pのエンジンと違うだけで充分である。