CB90復旧日記・その6
 
「去りゆくカブ」在中

 

6月2日

 


昨日 急に悪くなったのは 点火時期がズレたのではないかと大将に話しす。 キャブ調整の時にプラグがかぶったからではないかと おざなりな様子だ。 忙しいのだろう。

まずはプラグを換えてくれというが 一時は調子が良かったものが 急に悪くなる筈はないぜと思いつつ南海部品へ向かう。 果たして南海は休みである。
H2の部品も注文したいので 太子橋の モトプラザカワサキに寄ってみる。
店名が安直なので 雑誌を見ていると関東にも同じ名前の店があるが 関係はない。 カワサキのお店は 街中でもあまり見かけない。 カワサキの看板を上げることが出来るのは元々カワサキの社員の人や 何かしらの縁故のある人に限るらしい。
 
 
モトプラザはヘンコの多いカワサキの中でもかなり行きやすい店である。
「社長」はカワサキワークスの専属メカであったらしいが本人からは聞いたこともない。 なるほどキャブやその他 技術的なことはかなりいい感じだ。 しかし あまり商売は上手くなさそうなので メカ畑から出たのは確かだろう。 性能的に劣る旧車にあまり興味がないのは レース関係の人にありがちな事である。
しかし時々KA発売当時の話を聞かせてくれる。
当時高校生であった社長の同級生がいきなり学校を辞めると言い出した。
何故辞めるのかと訊くと 単車を買うためだ と答えたらしい。
「学校辞めて 働いてマッハ買うんや。」
かつて 単車はそれほど魅力的なものだったんだなあと話したことがあった。 今、単車に限らず そこまで熱狂的になれるものがあるだろうかな。
さてプラグは交換する必要はなかった が一本買って換えてみる。 しかし何ら変わりはなかった。 まだ使えるので持って帰ってくださいと 袋に入れてくれた。

 
 

6月8日

 
やはり10キロほど走ると アイドリングが不安定になる。 信号で止ると アクセルを吹かすのがクセになってきた。 ヘッドライトを入れて気がついたことには スイッチを入れた瞬間に アイドリングが少し下がるのだ! ヘッドライトやウインカーを点けている時の方が 明らかにストールしやすい。 バッテリー点火の悲しさか…。 12ボルトのマグネット点火にすることもできるのだろうが…ゲッターにそこまでするのもなぁ。 まずはバッテリー交換してみるか…。

 

6月13日

〜去りゆくカブ〜

 
かねてから インターネットを通じてスーパーカブC65を売りに出していたが とうとう嫁ぎ先が決まった。 なんとはるばる横浜から取りにくると言うが、今週末を逃すと 梅雨と試験にかかるので来にくくなるらしい。
 

それよりも ナンバープレートを取ると早く着けたくなったらしい。
 
わかるわかる。


C65は長い付き合いだったが お別れは突然やってくるものである。

一号線をひた走って帰るそうなので 琵琶湖の向こうまで送っていくことにする。 新旧ゲッターの 最初で最後の ランデブー走行になる。

 
彼は大学で環境整備の勉強をしているらしい。

なかなかのナイスガイだ。

 

C65のニューオーナーは自分と干支が一周する。 一周はかなりショッキングだ。 
横浜まで自走で帰ることが値引きの条件だったが 無謀だとかの意見がとんだ。 いやいや 全然無謀じゃないよな。 無謀なのはお椀ヘルとグローブ無しで走ることだと思ったのでJ-MAXとスワニーグリップをオマケした。 

 

琵琶湖畔の喫茶店ジルにて。 
(残念ながら、「喫茶ギル」ではなかった)

よく考えるとカブと映った写真はほとんどないよな。
新旧ゲッターの交代式だ。


大津から栗東に向かう道路で折り返す。


彼はこの後も500キロ弱のソロツーリングを楽しんだらしい。 さらばカブよ!
 
我が家を出たときは6137を差していたメーターは到着した時には6662を示した。 

 

横浜に着いた後の写真。 
今も彼のGB500とともに横浜を走っていることだろう。
元気でやれよ〜!

 

6月20日

 
アイドリング不安定の原因は やはりキャブにあるのだろう。 少なくとも キャブを新品にするとかなり良くなる気がする。 アッセンブリーで注文して 無ければ内部パーツだけでも交換すると良いだろう。 ゆくゆくのことを考えると 予備のキャブぐらいあった方がいいよなあ。 思いきって注文する。

 

6月23日

 
毎日雨で 面白くない。 雨といえばシートの破れを何とかしよう。 雨がシートに染み込むと 座った時に不愉快極まりない。 側面の黒のガムテープを 恐る恐る剥がしてみる…。 うっ こりゃひでえ! 軽症なら ゴム板を敷きこんでゴムのりで固めようと思ったが あっさり止めた…。 この際 シートの張り替えに出すことにする。
ライドオンに出入りしているシート屋さんに頼めば すぐやってくれるだろうし 安いだろう。 シートの無い単車は フレームやフェンダーの錆が目立ってカッコ悪い。 原付なんか なんぼキレイとゆうても こぎたないものだなあ。 よく見れば錆の上に缶スプを吹いてあるところもある。 そのうち いっぺん気合入れたらなあかんな〜と思う。

 

 

7月5日

 
シートが完成してきた。 新品のバッテリーと キャブも付けることにする。

 

新品キャブのニードルは 下から二段目になっている。
一応 まずは真ん中にしてみる。

 
油面は旧キャブと同じにする。 
触る必要はなく ほぼ同じであった。 油面なんかよほどのことがないと調節する必要がないのかもしれないなあ。



 

これがフューエルタンクライナー3本セット


コーティングするとタンクの内側はこうなる。 
まあコレで当分問題無し…とする。


 

ちなみにコレがロータリー用のチェンジペダルだ。

慣れると使いやすい。 でもダサい。 
オッさんはこれでいいのだ。


 
張替えシート。 ピッカピカだぜ〜。 

タックロール加工するとそこから破れやすくなる。だから ずんべらぼうでよろしいと注文したのにミシンで模様を入れてある。 う〜ん ミシン目から水が入るだろうなあ。 正直 余計な仕事だ。 でもまあキレイになったからいいか〜。



新品キャブは 家の周りを走る限り アイドリングはかなり安定している。 ただし八千回転付近では やはり もたつく感じがする。 う〜ん。

 

 
7月6日


バイトに乗っていくことにしたが 15キロほど走るので ニードルの位置を買った時と同じ 下から二段目に戻す。 アイドリングは二千回転付近にする。 新キャブは エアースクリュウの回し具合に鋭敏に反映するので 最も良い回転数を見つけやすい。
8キロぐらい走るまでは調子良好であるが エンジンが熱くなると 急激なアクセルで止りやすくなる。 高回転のばらつきも相変わらずだが アイドリングそのものはかなり安定した。

 

 

7月8日

 
キャブレターのセッティングは今まで鬼門であったが 触りやすいこともあって調子付いてきた。 ニードルの位置を一番濃い状態にしてみる。 何事もつくづく「感じ」ばかりであるが この最も濃い状態が 上のもたつきが一番マシである気がする。
もう一つ気がついたのは 新品バッテリーでも ウインカーやヘッドライトを点けるとアイドリングが落ちることだ。 残念ながら バッテリー点火のサダメなのだろう。
それにしても キャブレターのニードルや パイロット、メインジェットはどの回転数付近を反映するのだろう。 その辺の整備書には 全く書いていない。 意地になって探すが そんな記載はみられない。 そんなことを文章化して明言してあるのは よほどの本なのだろうか。 ことある毎に人に聞いてみることにする。 面白いことに 皆微妙に違うことを言うのだ。

 

 

7月10日

 
ドリームメイクに「白影」の車検出しをする。
この店はW1や英車などの旧車のお店である。 時々は顔を出して情報収集することにしている。 少しは経営に協力するのも大事であるが もっと大切なのは やはり人間関係であると思う。 かなりシニア向けの店なので お客さんの方にも凄い人がいて こちらもすごく参考になる。 常連さんとお店の山本さんにもキャブのことを質問してみる。


アイドリングからアクセルを開けるとストールするのは 4スト単気筒車特有の症状である。 比較的 断続的に吸入されているので 急にスロットルバルブを開くことで一気に薄い混合気を吸い込むことになる。 ガス欠に近い状態になってストールする。 ホンダがCBX250RSぐらいからヤッキになって加速ポンプを着けているのはこれの対策だろう。


6〜7千回転でもたつくのは ガソリンが追いついていないからではないか。 これは 中速なのでニードル位置を濃くしてみたらどうか。


エアースクリューとパイロットジェットが関与するのは アイドリングから2〜3千回転のところである。


メインジェットは主には中〜高回転に関与するが 全体に濃くなると考えたら良い。 ニードルをすでに一番濃くしているなら MJを上げてみるのが良いかもしれないとのことだ。 メインジェットを上げてみることにする。