90SS

Dark side of the Cover 

 
平成12年11月1日

 
見れば見るほどロータリーディスクバルブの車体はケッタイである。 キャブが見えないことが これほど不安に感じることと繋がるとは…。 思い切って右エンジンカバーを外しキャブを見ようとしたが とたんにミッションオイルがカバーの隙間からどろどろどろ〜っと流れ出た。 犬の機嫌を取ろうと手を出したらイキナリ ガブっ!とやられたようなもんである。 愛想笑いを浮かべるのはさっさと止めて そ〜っと再びカバーを閉じた。

 
11月4日

 
鈴鹿サーキットでマッハIIIの走行会があり これに参加した。 この走行会を仕切って下さったのは旗揚げしたところの愛知マッハクラブの重鎮 三河武士マーボーさんだ。 彼はマッハのみならずA7や90SSにも造詣が深いので どうやったら噛みつかれないか尋ねてみた。
 
「右エンジンカバーはねサイドスタンドでそ〜っと開けるとそれ程オイル出てこないでしょ? ガスケット?そんなモン何とでもなるよ〜。心配ない心配ない。」
 
仲間が増えて結構結構と笑ってくれる顔を見ていると この人、昔はヤンチャやったんやろなあというのがキラリと光った。
A1のサイドカバーステーは会長さんが板金でつくって 後は溶接するだけにして送ってくれることになった。三河武士さんからは翌日 A1のハンドルバーが届いた。有難くって泣けてきた。

 
11月11日

 
GAの機嫌を取るべく タンク上のグジュグジュチューブを引っ張ってみた。
チューブは 無造作に開けたタンクの穴に バッテリー買ったら付いているようなビニールの管を差し込んで黒いゴムのりのようなもので埋めてあった。 どうみても元々からの構造ではなさそうだった。キャップのエアー抜きのために作ったのだろうか?
もうちょっと体裁のよいものにしたいので バイトの帰りに南海部品によって小僧のゲンチャのブリーザーパイプを買ってきた。 少し大きいが チューブの差し込み部の金具がついていた。 タンクの錆の部分を落としてねじ込んでやろうと思った。

 
11月21日

 
CB90のオイルチェンジのために重野モータースへ寄った。
今度カワサキの90買ったのでまた面倒見てや〜というと う〜んホンダと違ってカワサキは嫌い とアッサリかわされてしまった。
おっちゃんの店はダイハツなので ダイハツは?と訊くと もっと嫌い…整備性悪いもん と。
「いつまでも 原付すっきゃねえ」と歯茎の上がった顔で笑ってくれた。

 
11月23日

 
部品の供給が乏しそうなので ヤフーオークションで2万円のGA2を入札することにした。 お金が無いのでどうするか迷ったが入札してしまうといくらでも吊り上げてでも買ってやるぞと気合を入れてしまう。オークションは恐ろしい…。そのまま2万円で落札できたのでほっと安心。

 
11月30日

 
ライドオンの大将に頼んで 部品どりGA2を引き取りに行く。 部品どり車は哀れで 今まで用意したことが無かったが この際致し方ないだろうと自分を納得させた。 ヤフーオークションでは何回も取引をしていたが 実際に会ってブツを受け取るのは初めてだったので少々緊張した。 指定された場所から電話すると カブに乗って迎えにきてくれた。 このオーナーさんはロータスセブンなんかも持っておられて やはり好きモノよのう〜と感じてしまう人だった。 不思議なことに 近所にすんでいたら きっと楽しくやれるんだろうなあという気がした。 GA2は かなり使えるものが多く ウチのGA5よりもいいパーツもたくさんついていた。
 
ありがたやありがたや〜♪ 機は熟した!

 



 

 12月3日 第一次レストア開始!
 
 

ドナーとしてドナドナされてきたGA2。 

サイドカバーは両方とも欠損しオイルタンクにじかに色を吹いてある。 
フェンダー類はかなりコンディション良し。

キーボックスはあったが鍵が無いので ゆくゆくは鍵を作らなければならない。 
一度鍵屋に持っていったが「今は忙しい」の一言で退散した。 鍵自体はダブワンの鍵で回った…つくづく え〜加減にできている。


  


 

電装を何とかして さっさとエンジンがかかれば良いなあと思ったが結構甘かった。
GA2は90シリーズの初期なので 後期のGA5とは配線の数がぜんぜん違った…とほほ…。

一応 色の合うものだけでも繋いでみた。


  
 

今度は自作ではないが もはやミイラ化している配線を見ると これなんじゃ〜?

    
 

どうやらウィンカーリレーらしい…
元々は一時ウィンカー付いていたのね。
う〜ん しょぼい…

スェーデンではこんな なつかしパーツまだ売ってるんかいな?
すかさず部品どり車から移植する。

  
 

またまた出たぞ〜黒のゴムのり。
よっぽど好きらしいねえ…。

でもなにもウインカーの端子をグチュグチュに固めなくても良いんじゃないかなあ?

  
 

でも ここにプラス ここにマイナスの端子をつなぐようにとわざわざ書いてくれている。 バッテリーからギボシを新造して延長し繋いでみた。そしてキーを捻ってみたが…ニュートラルランプすら点かない…
う〜んおかしい。 そもそも茶色線がマイナスかすら怪しい気がするが絶対におかしいと言い切る知識が無いので致し方なし。キーの線が足らないのが原因か???

一旦 伝送系はこれで撤退した。あとで左カバーを開けてみたら どうやらマグネット点火のように見える。 こんなことすら どこかで調べて書いてあるわけではないので確証を持てないが…

  
 

 



 

電装系は今日のところちょっち諦めてオイルタンクをつけようと思った…ところが とんでもないのを見てしまった。
 

オイルポンプを取り外して完全に蓋をしてあるのだ!そんなことが…
  
 

ガスケットをはさんで こんなアルミ板でシャフト部分をカバーしてあった。

う〜ん 混合給油で走ってたのね。
いやだなあ 何とかさせてもらいますようとこの辺までは笑っていたけど…

  
 

GA2から移植するわいとまだまだ余裕のはずが…

コンロッド周辺の潤滑のためにGAレーサーにまでオイルポンプがついていたと聞いていた。
まあ やっぱりインジェクトルーブ機構を復活させるのが良いなあとドナーから取って付ける事にした。

テキパキとオイルポンプを外した が…。

  
 

おうおう レバーにはちゃんとGA2と書いてあるんやなあ〜
ええぞええぞ〜磨けばひか〜る き〜んのたま〜♪

パッと見た目はまだまだ使えそうやったけれども…

  
 


 

まあねオイルポンプをつけてっと…う〜んアレ?どうしても付かないのだ!!

よ〜く眺めてみたらGA5とGA2のオイルポンプの駆動シャフトの長さが違う!
そんな馬鹿な〜!!!

どうやら駆動ギアの空転を避けるため 後期にはシャフトの長さとギアーの厚みを変更したらしい…

この段階でヤルキ半減…

  
 

え〜いと最後のパワーを振り出してGA2のミッションオイルを抜いて右カバーを外すことにした。
 

恐らくはここのガスケットは無いだろうから できれば生け捕りにして型紙だけでも作りたい…でも ぜ〜んぜんダメ!
ガスケットをボロボロに砕きながらカバーが開いた。 ま〜簡素なつくりしてるなあ。

このギアーとシャフトだけ交換したらなんとかオイルポンプ交換できると信じたい…
KAのクラッチ板交換をしていたので何とかなるとタカをくくってしまえた。
さてそんなに上手くいくのか…

  
 

この後、部品どりGA2はエンジンを下ろしてフェンダー類等を外して衣装コンテナに入れた。次回はタイヤやフロント回り 電装ハーネスを外してガレージの隅にしまってしまいたい。
 

エンジン全体はGA初期と後期でそれ程違うように見えないが ちょぼちょぼ違うんだろうか?決定的に違うのはエアークリーナー周辺だけであるが。
クラッチのハウジングを見ると ガタが少なくまだまだ使えそうな感じである。


前途は多難であるがスペアエンジンもあって 一生の最終原ツーとして申し分無いような気がしてきた。 暗闇の中でも上を向いて歩こう…

  
 
次回はGA5の右カバーガスケットを手に入れて そこを組むところからはじめることにする。

 


道のりは遠いぞ〜〜
2001年原2の旅に間に合うか!?

 
つづく