予告していた「オイル論争」は次回に回して 今回は大阪マッハクラブのミスターふじわらが
ネタ切れがちの当サイトにカツを入れてくれました。
今回は 助っ人へっぽこです。 ではふじわらさん はりきってゴー!
これは我らがH2cに関するお話し。
気分転換に適当にバイクを走らせていました。国道2号線と175号線が交わる交差点を右折のため、対向車線の車が空くのを待っていざ右折しようとしたその時、乗車感覚が今まで経験したことのないものに変わったことに気がつきました。
不安を感じ交差点を右折してすぐにバイクを路肩に停車させ、バイクを観察して驚きました。
エンジンがフレームから外れています。エンジンをマウントするためのボルトが折れ、エンジンをフレームに吊るためのステーも折れていました。
何で、こんなことが起こるのか?
幸い交差点でスピードの出ていない状態だったからよかったものの、もしフル加速中の出来事だったらと思うと背筋が寒くなりました…。
こんなへっぽこがあっていいのか!!
「エンジン落し」とは まるでカムイの飯綱落としか ガンダムのコロニー落しみたいですね〜。
(惜しむらくは、完全に落ちちゃって知らずにちょっと走ってから「ありゃりゃ??」ってスローダウンして気づくのんが良かったが。←そんなんチキチキマシン猛レースやって!・狙いすぎ〜)
いずれにせよ恐ろしいトラブルです。
なんでこんなへっぽこな事になるのか? 振動による金属疲労? 錆びの浸食による金属強度の劣化? いやいや、いくら金属強度が劣化したとはいえ
直接の原因はこのバイクがもつ振動が原因なんでしょう。
「当時、高速を高回転で走らせるおりにはハンドルを握る手は電気に感電しているような感じがあった。 常にこんな振動にさらされていては
ボルトもステーも破断して何の不思議もない。 人間(ライダー)が破断しないのが不思議だ。」と彼は振り返ります。
彼のH2cは 南メカニックに整備してもらって以来、健康をとりもどしているそうです。
(よみがえれH2c参照)
振動が多いのはエンジン不調が原因であるのかもしれませんが それだけではありますまい。
現に振動で有名な某W1シリーズでもエンジン落しは起こるそうなので 振動を楽しんでばかりはいられない様子です。
ふじわらさんは ステーは標準品の厚みの1.5倍の鉄板を削りだして作ったそうです。
これもH2cのお話し。 これはH2cに限った話ではないけれどマッハでしかおこらない事件かもしれない。 当時クーラー屋さんをしていた
さいとーのオッちゃんと日帰りツーリングに出た。
すると リヤブレーキがグニュッとした感覚とともに 突然きかなくなった。突然のできごとに頭が少々混乱していた。
幸い スピードが出ていなかったので事故にいたらなかったが 調子にのった走りをしていたらきっと何かに激突し 再び前歯を折っていたかもしれない。
路肩にバイクを停車させ、調べてみて驚いた! なんとブレーキのアジャストナットの内側のネジ山がすべてボウズになっていた!
こんなへっぽこがあっていいのか!!
「止まらない、曲がらないのマッハ故のトラブルと思われる。プアなブレーキ故に止めるためには、通常以上の脚力をもってブレーキングを行うことになる。走るたびにブレーキにかかる張力がナットの強度の限界値を超えてしまったのだろう…。」と彼は振り返りますが
例の火に洗礼を受けた魔神さいとーの招くトラブルだとは彼も気がつくまい…。
写真のように長いナットで補強して対策をしているそうです。 |
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これはホームセンターに行けば手に入ります。
購入時にはピッチが合うことを確認してください。 これならネジ山の数も数倍になり 従って強度も数倍になるだろうとのこと。
その前に御払いを…。 |
はじめてH2c(KH500から乗り換え)を手にした頃の話になりますが…。
大阪マッハクラブと名古屋マッハクラブの合同ミーディングが琵琶湖のとある宿舎であったときのこと、私は不調なH2cを騙しだまし走らせ何とかミーティング会場に到着することができました。
その日は会場で皆んなとマッハの会話で大いに盛り上がりました。
翌朝 解散のおり我がH2cのエンジンを始動すべくキックを踏み降したその瞬間!エンジンはいきなりレッドゾーンを振り切ったままけたたましい爆音をふりまきながら回転を続けたのです。
何ごとが起ったのか理解できない私の頭はまっ白になっていました。
爆音とケムリのなかで為す術を知らない私のまわりに、宿舎の主人から宿泊者からマッハクラブメンバーまで何事かと集まってきました。あの皆さんの呆れた顔を私は忘れることが出来ません。
「エンジンが止まらないンです!」
声もかき消す爆音のなかで必死に叫びました。一堂は全員が右手を耳に当てる いわゆる なんですか〜のポーズを取っていました。異様な光景でした。
「キーを切っても止まらないんです!」
「は?」
「おお、ディーゼリングとキャブレターのバルブの張り付きの複合症状や!」
誰かが叫んでいました。爆音の中で 全員の頭の中はどないしょ〜と思案が駆け巡っていたに違いありません。
「マフラーの排気口を塞げ!」
「キャブの吸入口を塞げ!」「キャブを外せ!」
各所からいろんな声が矢継ぎ早に 聞こえてきます が あまりのやかましさに適切な作業が進むわけがありません。
その間もH2cのエンジンはレッドゾーンを振り切ったままけたたましい音を発て回り続けてています。
「誰か〜エンジンを止めて〜」「エンジンが壊れる〜」
どの方法もエンジンを止めることができず、最後はエンジンを壊すかもしれないけれどブレーキを握りギアをおそるおそるローに踏み込みました。
「ギャリギャリギャリ・・・・・ギャチャン」
やっとのことでエンジンは止まりました。
ケムリの渦の中で 耳の中に静寂が戻った…。
こんなへっぽこがあっていいのか!!
・ キーをきってもエンジンが止まらない。
・ エンジン回転数が上がったまま落ちない。
という世にもおそろしい現象です。
私もこの現場に居合わせましたが 何事や〜と笑って室内から見ておりました(スミマセン!)。
思えばこの頃のふじわら号はトラブル続きでしたねえ。
エピソード中に出てきたディーゼリングとは ディーゼルエンジンのように プラグの火花が飛んで点火するのではなく 高圧縮と燃焼室内の高温により点火されている状態です。
これはガソリンが来なくなれば止るわけですが サイテーなことにスロットルバルブの張り付きを併発したために止らなくなった訳です。
それやったらガソリンコックをオフにしたらええやんけと思うかもしれませんが H2は負圧コックなので オフがないのです。 トホホ…。
よみがえれH2cを読んでいただければ解るように
当時のふじわら号は エンジンの圧縮が異常に高く 燃焼室内にカーボンが堆積しディーゼリングをきたした、また 燃焼ガスのキャブレターへの吹き替えしによるスロットルバルブの張り付きをきたしたのではないかと思われます。
ボーリングをしてオーバーサイズピストンを使用する時は 必ず圧縮を見ておく必要があります。
H2の後期型は スロットルバルブの張り付きを防止するためにもキャブにオイルラインを引いて対処していたそうです。しかし それでも出たところを見るとよっぽど高圧縮だったと思われます。
張り付きが出た時は アクセルを一度全開にして 勢いよく離すと戻ることが多いので、慌てずに試してください。
ディーゼリングはKH250に乗っている頃には時々見ました。
キーを切ってもしばらくは ででんでんででんと掛かっているあれです。 これが出だしたらピストンのカーボンの堆積や 粗悪ガソリンを掴まされた可能性がありますので注意しましょう。
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